2020.12.04

シリンダヘッド熱膨張試験

GPZヘッド

シリンダヘッド熱膨張試験

4~5年前にいつだったかは忘れたけれど、ワンピースガスケットのトライ中撮った興味深い写真が出て来ました。


熱的には水冷エンジンより過酷な空冷エンジンの熱膨張ってどうなの?

って事で思い立つと確かめないと気が済まない性分。


バルブガイド抜いたり、スリーブ抜いたりするのに重宝してた焼鳥台も今は昔もう無くなりましたので、工場のコンロに網を乗せて焼きました。熱分布が出来るだけ均等になるように上からはバーナーでひたすら炙り、時間と温度を計測しノックピンの外側で計測してみました。
Z1ヘッド
検体は、Z1とGPZ。
冷間時で微妙に100分の5くらいは違うのな。
基本同じ位置でなければいけないノック穴の位置もそのくらいの個体差はあるって事ね。
同じZ1でも、ヘッドを替えた時微妙に入りづらいのを半ば強引にヘッドナットを締めつけた経験のある人は僕だけでは無かろう
18℃から検証。
燃焼室温度だけで言えば1600℃くらいまで上がるけど、
空冷ヘッド自体は150℃くらいまでとする。
なぜかってえと物語があるとです。
30℃
7分52秒経過。



ってタイム計って意味あるんか?って突っ込みは無しで
動かざるは岩の如く。30℃では動ぜず。
そして18分21秒山は動くとです。
79.5℃
420.4㎜
そして26分49秒
102.5℃
ここでギア比の問題なのか?420.6㎜から伸びない!!
32分32秒
キター420.08㎜
38分後クライマックス

(はっ?とした。ガス代がもったいない事に気付く)
まああれだ。
補正値で421.1㎜をマーク目標は達成した。
151.5℃1.1㎜
世界初空冷Zシリンダ膨張試験結果発表。

空冷Z系エンジンは、151.5℃で1.1㎜熱膨張する事がわかりました。

規定トルクで締めてれば、ガスケットも一緒に伸びるから無し問題と言う人と、いや膨張係数が違う物だから特にカムチェーントンネル部分に問題が出るぞって人と意見は様々。

まあだからなんなんだ?って事なんですが、些細な事でも出来る対策はするに越した事は無いって事でノック穴の個体差にも対応出来るように対処しました。

僕の回りには何事にもネガティブで容赦なくダメ出しをしてくる人が沢山居てくれて幸せなのかもしれない。
2019.07.30

ビードベースガスケット

でけた~~~

もういいやもういじるとこない

仲間内にねえ…何かにつけてさ難癖付けて来る友人持つとやりがいあるよね。

まあ独り言です。
これエンジンいじくり倒してる所でわかる人はたぶん飛びつくと思います。
相反すると思ったら大間違い。

ゴムの材質もこだわりました。

0.38_0.86~0.1㎜単位で4mm厚のロングコンロッド仕様までカバー


業界用語的に言ってクリープリラクゼーション最小値を達成!


日立ケミカルのカーボフィットと言う材質で5年前に0.5、0.8、1.0tでベースガスケットの厚み調整をやっていましたが0.5tで組んでもヘタるのに0.8tとか有り得ないと切って捨てられました。

確かに1.0tで組んだエンジン開けるとカーボンがクランクケースの中に砕け落ちたりカーボンが厚ければ厚いほど浅千恵の真骨頂なわけで、そもそもオイルが漏れなければ良いとかヘタリによって圧縮比も狙えない低レベルなロークオリティーなエンジンで良いの?って事ですねん。

紙は元よりカーボン厚くしてベースに1.0tは組手の資質の問題と言う事で完全却下しました。

ただどーーーしても貧乏症が災いし素地が荒れてる場合用に0.8tのカーボングラファイトを残していましたが、大変気が利く心の優しい友人に『安けりゃ良いの?売れれば良いのか?だから古事記みたいな事もうやめれや』と冷めた視線を感じつつ方針をケテーイ。


カーボングラフィト系のガスケットはカバー類のみに使用するのが現代風のセオリー。


PMCさんでもラインナップがあるしHBRはZ系、J系のヘッドカバーのみのラインナップにしました。
これは圧縮比には全く影響しませんしハイカム用に厚み調整が可能とします。
レース仕様で3年経つかな?

かなり良い成績でブームになりつつあるヘッドガスケットの製作中の写真も出て来ましたので後日ガスケット物語を連載させてもらいます。